バンドパスフィルタ(BPF)とローパスフィルタ(LPF)のどちらを選ぶかは、信号処理アプリケーションの具体的な要件によって異なります。どちらが一概に「優れている」というわけではなく、それぞれ異なる目的を果たします。判断材料として、以下の比較表をご覧ください。
1. 目的と周波数応答
ローパスフィルター(LPF):
カットオフ周波数 (fc) より低い周波数を通過させ、高い周波数を減衰させます。
高周波ノイズを除去したり、信号を平滑化したり、ADC システムでのエイリアシングを防止するために使用されます。
アプリケーション例: オーディオの低音強化、データ取得時のアンチエイリアシング、DC 復元。
バンドパスフィルタ(BPF):
特定の範囲の周波数 (下限 fc1 と上限 fc2 の間) を通過させ、この範囲外の周波数をブロックします。
ノイズの多い環境で目的の信号を分離したり、変調された搬送周波数を抽出したりするために使用されます。
アプリケーション例: RF 通信 (AM/FM ラジオのチューニングなど)、EEG/ECG 信号抽出、振動解析。
2. どちらをいつ使うべきか?
次の場合は LPF を使用します。
低周波成分のみを考慮します(例:高周波ノイズの除去)。
信号はベースバンド(0 Hz を中心)です。
よりシンプルな設計とより低い計算コスト (BPF よりも少ないコンポーネント) が必要です。
次の場合は BPF を使用します:
信号は特定の周波数帯域にあります (例: 無線チャネルまたはセンサー信号)。
低周波干渉と高周波干渉の両方(例:50/60 Hz 電源ラインノイズ + RF ノイズ)を除去する必要があります。
変調信号 (AM/FM 帯域のフィルタリングなど) を扱っています。
3. トレードオフ
4. 実例
LPF: ECG 信号では、LPF (例: 150 Hz カットオフ) によって筋肉のノイズと RF 干渉が除去されます。
BPF: ワイヤレス受信機では、BPF (FM ラジオの場合は 88~108 MHz など) が目的の局を分離し、その他の局を拒否します。
結論
汎用ノイズ除去および DC/低周波信号抽出には LPF を選択します。
特定の周波数帯域を分離したり、帯域外干渉を拒否したりする必要がある場合は、BPF を選択します。
信号に両方の要件がある場合 (たとえば、低周波数を通過させる必要があるが、非常に低周波数のドリフトもブロックする必要がある)、HPF + LPF (BPF を作成) の組み合わせが最適な場合があります。
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